念紙って何?
念紙は転写紙(上からなぞった線を下に写すための紙)のひとつで、本番の下描きのときや、塗り進めて隠れてしまった線を描き起こすときに使います。とくに生の和紙に線を描くときは、紙が痛むという理由で消しゴムが使えないため、一発描きが求められます。そのため、別の紙に完全な下書きを描いてから、それを本紙に転写するのが堅実な方法です。
念紙は上からのペン先の圧力で顔料を下の紙の繊維の間に押し込むという原始的なタイプの転写紙です。多く市販されているカーボン紙は油性ですが、今回つくる水簸絵の具の念紙は水性なので原理的には水彩画と相性がいいです。また、自作なので色と大きさも自由です。ただし、作りたての念紙は顔料が過剰気味でしばしば紙を汚してしまうので、注意してください。
材料と費用と工程
【材料】計4000円弱(高...w)
- 薄美濃紙 (約780㎜×540㎜/一枚500円) 4枚
- 水簸絵の具と盛り上げ胡粉 (700円の一両瓶:約38gを2色混合) 総量150g程度
- コンビニのカップ日本酒 総量500㎖程度
- 水道水
【道具】備品
- ブルーシート
- 毛氈(安物のカーペット)
- 新聞紙
- 色が染まってもいい刷毛
- 厚底の角バット
- スプーン
- 計量カップ
- はかり
- 食器用スポンジ
- 雑巾
作業行程
| ▲①床にブルーシート、毛氈(安物のカーペット)、新聞紙を敷き、その上に薄美濃紙を置く。 |
| ▲②水簸絵の具は乳鉢で少しずつとり、よくよくよくよくすり潰す。 |
| ▲③すべての絵の具を角バットに入れ… |
| ▲混ぜる。もう戻れない(ああ1400円が)… |
| ▲まあまあ期待通りの色に |
| ▲④最初の塗りの水と清酒の配合比は以下の通り →水:清酒=3:7 |
| ▲角バットで作って塗るのが一番無駄がなさそう。 |
| ▲⑤絵の具を刷毛にたっぷり含ませて、バットのふちで少し落とし、一方向にゆっくり塗る。 |
| ▲最後の方はゴミが目立つ |
| ▲⑥刷毛は流水に10分以上つけてよく洗う。 |
| ▲⑦乾いたら、大きな粒子はスポンジのたわし面などで除去する。 |
| ▲完全に乾いてゴミを除いたら次の比率で④~⑦を繰り返す。 二回目→水:清酒=5:5 三回目→水:清酒=3:7 |
| ▲完成! 絵の具はあと1回塗分余ったので付きが悪くなったときの予備にします。 |
使ってみる
転写具合は良好。というか付き過ぎなくらい。念紙を置いて動かすだけで色がつく...orz
まあ塗り立てだし多少はね?二回目以降は落ち着くのかな...と期待。
追記 二回目も顔料過剰気味ですね。紙本が和紙ってのもありますが、結構青が残りました。全面厚く塗りつぶすのなら大丈夫。
| ▲大きさはS100号 |
基盤研究:念紙(ねんし)の制作と使用ver.1
今回はこれでおしまい。
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